太陽は真祖ドラクルによって討ち堕とされ、空には紅い月が永久に輝くようになって幾星霜。 常世国を支配し、民を守る騎士たちは栄光の日々を過ごすであろう。 それぞれの理由からドラク領北東の小村カルモルテに、珍しくも複数の騎士が訪れた。彼らはそれぞれがダストハイムの始祖セイズマリー公と、小さき妖精らに縁を持つ者らである。 予期せぬ複数の騎士の来訪。 村人たちは喜び、彼らに最大限の贅を尽くした宴を捧げる。 そして宴の中、一部の騎士はテーブルの下でくすねた料理を食べる小鬼――ゴブリンたちの姿を見るのだった。
■ハンドアウト
●PC1 消えざる絆:セイズマリー(恋) 推奨の道:近衛、遍歴
貴卿は主に付き従い、向かったダストハイムの地で一目見た始祖たるセイズマリー公に心奪われた。 その時は気の迷いと思い、主と共にこのドラクの地へと帰って来たが……。 一年、二年と過ぎる中でその想いは高まり、未だ消えない。 長い気の迷いを経て、ようやく気づき、自覚した。 貴卿はセイズマリー公に恋をしているのだ。 もはやこの想いは偽れない。 今いるドラクの地を離れ、ダストハイムに向かうべきやもしれぬ。
●PC2 消えざる絆:ゴブリン(友) 推奨の道:遍歴、狩人
貴卿には叙勲前からずっと、小さな友がいる。 彼らゴブリンは常に物陰から時にはからかい、また時には助けてくれる。 多くの騎士は、彼らに出会ったことがないらしい。 残念なことだ。 騎士として長い時を歩もうとも、彼らはきっと共にいてくれる。 そんな想いがあればこそ、貴卿は誰よりも優しく、前を向き、進み続けられるのだ。 そして今夜も貴卿は、彼らのためにミルクと焼き菓子を用意する。
●PC3 消えざる絆:ゴブリン(信) 推奨の血統:領主、遍歴
ある村にあって、貴卿は恐るべきトロールを討伐した。 未だ広き名声とはなっていないかもしれないが……輝かしき栄光と数えてよい。 民は貴卿を讃え、宴を催してくれた。 しかし、この功績は貴卿だけのものではない。 ゴブリンたちという、小さな協力者あってこその討伐であった。 彼らは今も、テーブルの影で料理をかすめとり、食べている。 貴卿は厳粛なる騎士だが、今は小さき罪を見逃してもよかろう。
●PC4 消えざる絆:セイズマリー(主) 推奨の血統:賢者、夜獣
貴卿はかつてダストハイムに仕えていた。 しかし、始祖セイズマリー公への失態により彼の地を離れた。 PC1の帰途に合わせ、逃げるが如くドラクの地へと落ち延びたのだ。 幸いにも、始祖の怒りは薄かったのだろう。彼女の追及はない。 しかし、できるならば、彼の地へと戻りたい。 そして、セイズマリー公の前に跪き、かつての失態を詫びたい。 たとえ彼女がそのような些末事を忘れていようとも。
はじめてのドラクルです。公式ブログより、シナリオ「カルモルテの酔夢」を予定しております。 参加者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
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