ビザンチンのテオドラス・フィレタスは、『キタブ=アル・アジフ』をギリシャ語に翻訳し、それに『ネクロノミコン』のタイトルを与えた。この冒涜的な書物が禁書となり、ほとんどの写本が破壊されるのは1世紀後のことである。 しかし禁断の知識は人から人へと密かに伝播し、人類はクトゥルフ神話の無情な力に屈しようとしていた。 (クトゥルフ・ダークエイジ)
というわけで西暦1000年ごろのヨーロッパを舞台にしたサプリ『クトゥルフ・ダークエイジ』の単発セッションです。 参加者の皆様よろしくお願いします。
■シナリオ
『跳躍伯帰城す』(オリジナル)
テューリンゲン地方を治める方伯、ルートヴィヒ・デア・シュプリンガー(跳躍伯)は、ほとんどの領主がそうするように、領内の無数の城を移り住んでいた。 西暦1057年。方伯の壮麗なる主城、ヴァルトブルグへの数年ぶりの帰城は諸侯と民草の耳目を大いに集めた。
探索者は方伯に付き従う家臣であるか、近隣に住まう村人、あるいは帰城を聞きつけた巡礼や旅芸人かもしれない。 いずれにせよ探索者と方伯の一行は、ヴァルトブルグ城の手前、休憩に立ち寄った村で出会うことになる。
「おそれながら方伯に申し上げます。近頃森の奥にて、怪しげな祈祷を捧げる不埒者どもの姿があり……」
村の顔役のそのような談判も、その後流されることになる幾ばくか血も――後から振り返るならば――あのヴァルトブルグ城の恐怖の一夜の先触れでしかなかったのだ。
■探索者の作成について 新規探索者を当日作成。 クトゥルフ神話TRPGの通常ルールと異なり、100ポイントを各能力値に振り分けるルールを採用しています。
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