参加者のみなさん、よろしくお願いいたします。
トレーラー ふ〜わ、ふ〜わ。ゆ〜ら、ゆ〜ら。 ほ〜わ、ほ〜わ。ひ〜ら、ひ〜ら。
空に浮かぶ雲のように、水にたゆたう木の葉のように、 アンディの心はいつものように、ゆったりとした空間の中にいた。
図書の国にある森の一部、大きく空の見える場所で、誰にも邪魔されないお昼寝の時間。 ベッドはもこもこの羊の其達、アンディはその羊毛の上に四肢を放り出していた。 今日も、平和だなぁ〜。
一伸びしてから、ふ、と思う。 キャラバン隊と別れて、うさぎとコギトに出会って、大切を知って守って、色々な体験をしてきた。 もし、うさぎに会わなかったら、キャラバンにそのままいたとしたら・・・。
きっと別の幸せが、あったのだろう。 アンディは、他人の幸せを疑わない。その思いは揺らがない。 無垢な笑顔で、時に不思議そうな表情で、アンディはこう言うのだ。 「みんな、幸せになって当然じゃない。そうは思わない?」
「助けて!」 まどろむアンディの意識を貫く、少女の真っ直ぐな感情と、決死の表情。 そして……、
チチチ……、ピピピ……、と、鳥のさえずり。 森の中で、アンディは目を覚ました。
準備はいいかい? さぁ、開演の時間、だよ。
モノトーンミュージアム オリジナルキャンペーン 「悲劇は図書の国より降り来たる」 グローアンディ物語 第5話 「グラムルの花嫁」
―――かくして、物語は紡がれる。
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